人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Feeling leaf

feelleaf.exblog.jp
ブログトップ

ある日のアニキン幼稚園 2。

「だって半分じゃ足りないんだもん」
「そうよ、ホントはあと三つくらい食べたいんだもん。半分なんて少ないよ」
「そうだよね、あと三つは食べられるよね」
 こういうところは気が合うんだよね、この二人。
「じゃ、ジャンケンで決めようか。それならずるくないだろ」
「そうね、ジャンケンにしよっか」
「うん、それなら席がどこでも関係ないもんね」
 ようやく二人も納得したみたい。三木先生も大変だよね。
「よーし、さいしょはグー、ジャンケンポンッ!」
 まやちゃんはグー、めぐみちゃんはパーだった。
「やったぁ!あたしの勝ち!じゃ、ミカンもらうね」
 めぐみちゃんはすっごく嬉しそうにミカンを食べ始めた。
 逆にまやちゃんはほっぺた膨らまして、うらやましそうにめぐみちゃんを見てる。
 見かねた三木先生が、
「仕方ないよ麻弥ちゃん。この前は麻弥ちゃんがパイナップル食べただろ?今度通隆君が休んだ時は麻弥ちゃんが貰えばいいじゃないか。な?」
ってなぐさめてたけど、まやちゃんはまだ諦められないみたい。
 ぼくはようやく給食を食べ終えて、最後に残しておいた冷凍ミカンの皮をむき始めた時、いきなりまやちゃんが
「かっぺー君、ミカン半分ちょうだいっ!」
って、勝手にぼくのミカンを半分もぎ取ってっちゃったんだ。
「あっ、まやちゃん、それぼくの‥」
「何よ、いつまでもトロトロ食べてるかっぺー君が悪いんでしょ。半分は食べられるんだからいいじゃない」
「でも、ぼくもれーとーミカンだいすきなんだもん。だからさいごまでたのしみにとっといたのに‥」
「もぉ〜、みみっちぃわねぇ。かっぺー君男の子でしょ。男だったら食べ物の事くらいでウダウダ言わないの」
「でもぉ〜‥」
 ぼくが言い終わらないうちに、まやちゃんは半分に割った冷凍ミカンを口の中に放り込んだ。
「ああっ!」
「ん〜♪やっぱりおいし〜っ」
 まやちゃんはほっぺたを押さえながら、幸せそうに言った。
 まやちゃんは幸せかもしれないけど‥‥。


昨日の続きでございます。
ちなみにかっぺー君の台詞に漢字がないのはわざとです(笑)。
by feeling_leaf | 2005-11-09 18:40 | おはなし | Trackback | Comments(0)

日々思った事を徒然に。


by チェックメイト